第三章 GEOMILL326

 GEOMILL326 は、マイクロドリル、台座、CMOSカメラ、ライト、パソコンからなる。台座に置いた試料はCMOSカメラで撮影され、パソコンモニターにリアルタイムで映し出される。ズームレンズがあるので拡大表示も自在だ。画面上で削る位置を指定すると、座標に変換される。操作はそれだけ。ドリルは固定で、台座がXYZ 軸上を1μm 単位で自動的に移動して、指定した位置を正確に自動的に削っていく。


 持ち運びができて、省スペース、そして安いこと――それが、坂井研究員のこだわりだ。「最近ではレーザーを使って微小領域の成分を直接分析する装置がありますが、精度が少し落ちる上に、非常に高価で大きい。誰もが使えるものではありません。私のような普通の研究者が使えるものにしたかったのです」。座標の決定にマイクロソフト社のExcel を使うなど、操作性や汎用性への配慮が随所に見られる。


 販売を開始して反響は? 「ホームぺージ(
http://g326.com)に届いた最初の問い合わせ、“ 金属は切れますか” でした。いきなり地球科学以外!」。質問への答えはYes。「ドリルの開発も並行して進めていたのです。石灰岩を削るのにも、いろいろなドリルがあった方がいいですから」。ほかにも複数の大学・研究機関から問い合わせが来ている。


 マイクロミルシステムは、まだ進化の途上にある。「削った試料は粉末状になり、それを回収して分析します。μm 単位で削るということは、試料も微量です。鼻息が荒ければ飛んでいってしまうほど。そこで効率的に微量の試料を回収できる装置を開発中で、完成間近です。特許も2007 年に出願しています」。


 GEOMILL326 の次号機への搭載を目指す。その先は? 「試料回収まで全自動化したい。削る位置を指定してOKを押して帰宅すると、次の日の朝には試料がボトルに収まって並んでいたらいいですよね」


第四章 GEOMILL326のこれから

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